「物語は続いている」(2017年5月21日週報巻頭言 牧師 藤井秀一)

今週の礼拝から、主イエスの弟子たちの働きを記した「使徒言行録」を読み進めていきます。

W.Hウリィモンという神学者は「使徒言行録」についてこう語ります。

「ここで語られている物語には、終わりがない。なぜなら、この物語は、今日もあなたの教会や私の教会に連続しているからである。この物語はいつの時代の教会においても時期を得た事柄を扱っているので、繰り返し語られる価値がある。例えば、キリスト者とユダヤ人、キリスト者と異教徒との関係についての問題、現代の国家の中でのキリスト者の立場に関連した事柄、祈りに関する問題、教会での説教と教えの目的、及び現代の教会にとって今朝の新聞の見出しよりもさらに意義のある今日的な難局にかかわる問題などである。」

(現代聖書注解「使徒言行録」)

やがてわたしたちは「使徒言行録」を読み進める中で、かつて主イエスを見捨てて逃げ去ってしまったペトロの口からほとばしり出る、確信に満ちた言葉と出会っていきます。

「・・・ほかのだれによっても、救いは得られません。私たちが救われるべき名は、天下にこの名のほか、人間には与えられていないのです」(4:12)

「神に従わないであなた方に従うことが、神の前に正しいことかどうか、考えてください。わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです」(4:20)

権力がますます力を増し加えようとする今の時代にあって、なお聖霊の風に吹かれて、ペトロたちが生きた物語の続きを、この時代、この場所で生きる。それがわたしたちなのです。

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