「クリスチャンシオニズム」(2017年1月29日週報巻頭言 牧師 藤井秀一)

神がアブラハムと結んだ契約に基づき、地上の「エルサレム」がアブラハムの子孫に永久の所有として与えられたという教理を「クリスチャンシオニズム」と言います。

この教理を信じるクリスチャンはごく一部だと思いますが、米国の福音派の一部では熱心に信じられており、トランプ大統領もこれを信じるクリスチャンシオニストと言われています。

この立場の人々は、やがてキリストが再臨し「神の国」が実現するまえに、イスラエルの回復が起こると信じるので、現在のイスラエル国家を支援する立場を取ります。

トランプ大統領が公約の中で、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると公言したのも、この理由からでしょう。しかし、もしそのようなことを行ったなら、パレスチナ人の強い反感を買うこととなり、混乱と新たなテロが引き起こされることが懸念されます。

わたしは「クリスチャンシオニズム」には懐疑的です。なぜなら「イスラエルの回復」が「神の国の実現」と考えることは、主イエスの時代のユダヤ人と同じ発想だからです。

主イエスは、ローマ帝国と戦い「イスラエルを回復」するメシアと誤解され、祭り上げられることを拒みました。

同様に、「イスラエルが回復」するために、ハルマゲドン(最終戦争)を引き起こしてくれるお方として、「再臨の主イエス」を祭り上げるわけにはいかないのです。

「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる」(マタイ26:52

関連記事

  1. 「終わりは始まり」(2018年12月30日 週報巻頭言 牧師…

  2. 「教会の原点」(2017年6月4日週報巻頭言 牧師 藤井秀一…

  3. 「献げる人の豊かさ」(2018年7月15日 週報巻頭言  牧…

  4. 問いつ、問われつ

  5. 「心が広げられますように」(2018年9月23日 週報巻頭言…

  6. 「響きあう仲間へ」 (2016年2月7日 週報巻頭言 藤井牧…