どうせいつかは死ぬのなら、はじめから生まれなかったほうがよかったでしょうか。
どうせいつかは別れる日がくるのなら、出会ったり、愛し合ったりしないほうがよかったでしょうか。
どうせ祈っても、願いがかなわないとわかっていたら、祈らなければよかったでしょうか。
生きること、愛すること、祈ることには、いつも、自分の思い通りにはならないリスクがあります。
この不完全な世界に生きること自体、苦しみや試練というリスクと隣り合わせ。
だからといって、なんのリスクのない完全なる天に、はじめから生まれることが、神の御心ではなかったので、今、わたしたちはこの地上に一時の間、生かされています。
この地上という、悲しみや苦難のある荒れ野の旅のなかで、
なお天を仰いて、信じつづけること、愛しつづけること、祈りつづけるという、大切なことを学ぶために、
きっと人は、この地上に生まれてくるのでしょう。