「やはり互いに生きる道に」(2017年12月31日 花小金井キリスト教会週報巻頭言 藤井秀一)

今日で2017年は最後の日となりました。
 
トランプアメリカ大統領の就任から始まった2017年は、12月のトランプ大統領のエルサレムをイスラエルの首都と認定する発言。そして米軍ヘリコプターの窓が沖縄の普天間第二小学校の校庭に落下する事故を経て幕を閉じようとしています。
 
大国があからさまに「自国ファースト」という理念を掲げ行動し始める時、当然それはその国だけの問題にとどまらず、微妙なバランスを保って共存してきた国際社会全体に、様々な悪影響をもたらしていく。そのことを思い知らされた2017年でした。
 
体のなかのそれぞれの臓器が、互いに助け支え合うために、自分の役割を果たすからこそ、体は健康を保つことができます。
 
ガン細胞は実は細胞としては弱い細胞ですが、体にとって脅威なのは、周りの細胞との関係をいっさい無視して、自分自身の増殖だけを目指し始めるからです。
 
その行く末は自らの首を絞めることになることも知らずに。
 
「自国ファースト」「自分ファースト」というあり方もまた、周りを傷つけた末に、自らの首を絞めていく自滅への道であることに、やがて気付かされる日がくるでしょう。
 
パウロは教会を体に譬えてこう語りました。
 
「体の中でほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのです。 わたしたちは、体の中でほかよりも恰好が悪いと思われる部分を覆って、もっと恰好よくしようとし、見苦しい部分をもっと見栄えよくしようとします。
 
見栄えのよい部分には、そうする必要はありません。神は、見劣りのする部分をいっそう引き立たせて、体を組み立てられました。
 
それで、体に分裂が起こらず、各部分が互いに配慮し合っています。 一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです。」
(新約聖書 1コリントの信徒の手紙12章22節~26節)
 
 
ここに「教会」が約2000年の時を越えて、今日まで生き抜いてきた奥義があります。
 
この「体に分裂が起こらず、各部分が互いに配慮し合う」関係がこの世界にさらに広がっていきますように、
 
新しい2018年も主に祈り求めつつ、福音に生きていきましょう。

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