H.K.兄  転入会の証   2013・8・25

私は今までこのような方法で自己紹介をしていました。それは、「タイの宣教師・Hの息子です」と説明する事です。私の父と母は異国の地、タイで宣教活動をしていました。その間、多くの方に覚えられ、お祈りによって支えられていました。そのため、Hの息子と説明すれば、私自身も確実に覚えてもらえます。しかし、それと同時に「H先生の息子なんだから、さぞかしすごい奴なんだろう」とハードルを上げられる事があります。例えば、タイの事について証してくださいと急にお願いされる。などです。私はたいした人間ではありません。何か特別な信仰を持っている訳でもなく、皆さんと同様に、教会と神様のもとでただ生かされてきました。今日はそんな私の事を皆さんに正しく知ってもらうために、私の教会生活とその歩みについて証させていただきます。

 私は九州・熊本にある金峰山の麓で生まれ、そこで幼少時代を過ごしました。当時私の父は牧師をしていたため、家のすぐ隣に教会がありました。朝、目が覚めて、母を探して教会へ行き、祈祷会を中断させたりしていました。そのくらい教会は私の生活にとけ込んでいました。しかし、当時の私は礼拝よりも外で遊んでいた方が好きだったので、教会をかくれんぼに最適な場所ぐらいにしか思っていませんでした。私が5歳になったある日、私と姉妹の3人は両親につれられ、タイへ向かいました。私はタイという場所が郊外にある大型スーパーぐらいまでの距離だと思っていたので、すぐに帰って来られると思っていたようです。実際は日本からタイまで飛行機で6時間ぐらいかかります。

 タイでの生活は、さほど苦労しませんでした。周りの人と言語が通じない事に驚きましたが、まだ小さかったので特に気にしませんでした。タイでは日本人学校に通い、日本の学生とさほど変わらない学校生活を送りました。しかし、私の教会生活は大きく変化しました。最初はタイの教会に家族と一緒に通いました。説教も、祈りも、聖書も、何もかもタイ語でした。母や父が苦労しながら説教を翻訳してくれますが、よくわかりません。分級に行っても、何をしゃべっているのかよくわかりません。そこで、両親は私と姉妹の3人を日本人が集う教会へ通わせる決断をしました。この教会は都心とは少し離れた場所にあるので、毎週日曜日の朝にバスが来て私たちを教会へ運んでくれます。このシステムのおかげで、私はこの日本人教会に一度もさぼる事なく、10年間通い続ける事ができました。また、礼拝を捧げる中で、自身をキリスト者として認識し、バプテスマを受ける決心をしました。小学4年生の8月のことです。

 さて、中学を卒業し、私は単身で日本の高校に向かいます。高校はさいたま辺境の地・本庄にありました。その下宿で高校生活を過ごします。この時、私は初めて自主的に教会に行くという試練に立たされました。今までは両親に連れて行かれたり、バスが来たから乗り込んだり、なにも考えずに教会に行っていました。しかし、ここでは自分で教会に行かなければならないのです。私は下宿から自転車で15分くらいの教団の教会に通いました。教会に行きたくない日もあったけど、それでも神様から心が離れなかったのは、毎朝母から送られてくる御言葉メールと、教会を休んだときに父にしてもらったスカイプ説教のおかげです。今思えば、ここで私の教会生活に自主性が生まれました。

 高校を卒業し大学に入り、姉妹がタイから日本に進学してきたので、私と姉妹2人でさいたま市に住みました。私は姉妹とともに浦和教会に通いました。ここで得られた神様の恵みは同年代の青年たちでした。彼らは私の教会生活において多くの気付きと分かち合いの時を与えてくれました。彼らによると、教会生活とは十人十色であり、信仰も違うらしいのです。自身の信仰が絶対だと思っていた私にとって、そのような多様な信仰体験は目から鱗でした。この浦和教会には4年間通い続けました。

 そして大学院に入り、さいたまを離れ、現在は田無駅周辺に妹と二人で住んでいます。この花小金井教会を選んだ理由は、どこか故郷を思わせる懐かしい雰囲気に惹かれたからです。あと、教会が綺麗だったからです。私は花小金井教会において、更なる気付きと交わりを行いたい所存であります。

 以上が私の歩んできた信仰と教会生活です。私が例えどこにいようともそこには教会があり、神様がありました。それが私の信仰を確かなものにし、また生き甲斐となります。これが私の全てです。

 最後に私がいつも大事にしている聖書の箇所をもって、証を閉めさせていただきます。

イザヤ書52章7節

いかに美しいことか 山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。

彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え 救いを告げ

あなたの神は王になられた、と シオンに向かって呼ばわる。

    2013年8月25日

      H.K.

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