「信じたように生きる自由」(2017年2月12日 週報巻頭言)

南スーダンのPKOに派遣されている自衛隊の日報を、防衛省は隠ぺいしているのではないかと論議されている昨今、改めて南スーダンについて知りたいと思います。2011年7月に、スーダンから独立。1956年のイギリスの植民地支配終焉以降、スーダン北部のイスラムの支配から、南部のアフリカ系キリスト教徒が長く独立のために戦った末の独立でした。ところが独立から2年後。一緒に独立を戦ってきた「スーダン人民解放運動」のキール大領領と、マーシャル前副大統領が対立。キールが属する最大民族「ディンカ」と、マーシャルの属する二番目の部族勢力「ヌエル」の内戦に発展し、国連平和維持活動(PKO)が介入し、現在に至っているのです。

それまで、共通の敵であった北部イスラムを失ったことで、部族間にくすぶっていた対立が顕在化したということでしょう。国連のPKOは一時的な対処療法であり、部族間の憎しみを乗り越えた平和を実現することはできません。部族の違いをこえ、憎しみを超えて、共に生きるようになるには、何百年かかっても神を「天の父」と呼ぶ、同じ神の子同士に立ち返り、互いを赦し、認め合って生きる道を勇気をもって歩みだすしかないのです。

さて今日の礼拝は「信教の自由を守る」主日礼拝として捧げます。わたしたちには「なにを信じてもいい自由」と同時に「信じたように生きる自由」が与えられています。自分にかかわる家族、部族、民族、国家だけを愛する、「自分ファースト」に縛られず、違った人同士と共に生きるように招く、自由と解放の主イエスの福音をわたしたちは信じます。そしてそのように「信じたように生きる自由」を、だれもわたしたちから奪うことはできないのです。

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