「過去ではなく今、主イエスと生きる」(2020年1月5日週報巻頭言 牧師 藤井秀一)

主の年2020年を共に迎えることができました。感謝いたします。

さて2020年がどのような年になるのか、人間はだれ一人として知りえませんのに、知識人などが、今年の予想を語るような言葉を耳にすることがあります。しかし、知識を蓄えた人々ほど、むしろその過去の知識に縛られ、未来を読み間違えることがあるのではないでしょうか?かつてあのトランプ大統領誕生を、当時の知識人のほとんどは予想しえなかったように。

人間が認識し、知識化できるのは、既に起こった過去の事柄だけです。それに対して創造主である神は、過去ではなく常に今、生きて働かれ、新しい出来事を引き起こしておられるはずです。主イエスは言われます「わたしの父は今もなお働いておられる。だから、わたしも働くのだ」(ヨハネ5:17)と。

人間の知識は過去を体系化することには長けていますが、今の瞬間は、知識によってはとらえられません。それは、常に今生きて働かれている神の業を、「神学」という知識だけではとらえきれないことにもつながります。福音書には、むしろ律法の専門家たちこそが、主イエスの業が神の業であることを理解できなかったと書いてあります。こういうことは、いつの時代にも起こるのです。「神を知っている」と言う専門家ほど「神を知らない人、分かっていない人」になるパラドックス(逆説)です。

神は今この時も、人には認識できない「聖霊」というあり方で、この世で新たな美しい業をなさっているはずです。過去の経験、知識に囚われがちな私たちを「聖霊」は自由にし「今」生きて働かれる主イエスを理解させ、「今」主イエスの言葉に感動させ「今」主イエスの言葉に従い生きるために助けられます。そのような「今この時」主と共に生きる人を、ヨハネの福音書は「霊から生まれた人」(ヨハネ3:6)と表現するのです。

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