全国青年大会のスタッフとして    H.K.兄

「イエスは、このぶどう酒を受け取ると、『成し遂げられた』と言い、頭を垂れて息を引き取られた」(ヨハネ福音書19:30)

第52回全国青年大会「MP+C ~イエス様の生涯から発見する~」主題聖句より

私は今回の青年大会で、スタッフとして運営する機会を与えられました。初めて参加した全国青年大会でスタッフになろうと決断し、それから一年間。与えられた仲間と共に、迷いながら、祈りながら、助け合いながら走ってきました。また、そこで得られた多くの出会いと経験は私にたくさんの気付きを与えてくれました。この証では第52回青年大会の運営スタッフになった経緯と、そこで学んだ事、感じた事を素直な言葉にして神様に捧げたいと思います。

私が青年大会の運営スタッフになろうと思ったきっかけは、青年大会の現状に満足できなかったからでした。私から見た青年大会はすごく問題が多いように感じたのです。なので、その気持ちを頼りに、後先考えずに、というか出来るだけ深く考えないように(もし運営スタッフになったら、就職活動の時期と被ってしまう!人生を決める様な大事な時期に、はたして青年大会の運営に十分打ち込む事ができるのだろうか等)、運営スタッフになる決断をしました。正直に申しますと、自分で納得できるものを作れる自信はありませんでした。しかし、より良いものを作ろうとする努力は出来ると感じていました。あと、ちょっと目立ちたかったという気持ちもありました。そのような経緯で私は青年大会の運営スタッフとなったのです。

運営スタッフになって、一番悩んだ事は他のメンバーとの折り合いでした。今回の運営スタッフは8名で構成されていました。一人一人本当に個性的なメンバーで、それぞれが違う考えを持っています。青年大会の現状に満足できていなかった自分は全国青年大会を自分が思った「良いもの」にしようとして、会議の内容を自分が思い描く方向に進めようとしました。しかし、思うように行かず、自分の思ってもいなかった方向に進んで行ってさえしてしまいました。そのとき、自分の考えが上手く伝えられない事の歯痒さ、現状を打破できない不甲斐無さ、相手の考えに納得できない頑固さが渦巻いて、それらによって無気力になってしまった事もありました。また、メンバーが自分の考えを妨げる敵なのではないかとさえ考えてしまう事もありました。これらは少し大げさだと思われるかもしれませんが、実際私の心の中で似た様な感情が起こりました。それでも、神様は私とメンバーの間に立ってくださり、私に相手を理解する時間を与えてくださいました。会議が終わった後、彼らと夜通し話し合ったり、共に食事をしたり、メールでお互いの思いを伝えたりするうちに、相手の考えている事、価値観、人柄が徐々に分かってきました。そして、彼らは私の考えを阻害する敵ではなく、同じ目的を持ち、共に歩んで行くパートナーだという事が分かったのです。私はそれらの体験をヨハネの福音書で律法学者たちと何度もぶつかり、時間をかけて話し合われたイエス様の姿と重ねました。私たちはイエス様が正しい方だと知っていますが、当時の律法学者たちにとってイエス様の考え方は受け入れがたいものだったでしょう。しかし、そこで相手を拒絶せず、目的をはっきりとさせ、それに向かって時間と労力と思いを共にする事で、自分が思っても見なかった大きな恵みが与えられるのではないでしょうか。これは何の根拠もない私見ですが、イエス様は律法学者たちにこのような姿勢を求めたのではないかと思えます。

青年大会の運営スタッフを通して、何かを共に成し遂げて行く時、どの様にして神様が働いてくださるのかを知れました。それが、この一年で得られた大きな学びです。大会中は上手くいかなかった事も多々ありましたが、講師の森先生や前大会スタッフ、大会参加者や悔しくも参加できなかった青年の皆様、天城山荘のスタッフの方々、また祈りに覚えて下さった諸教会の兄弟姉妹のお支えにより、なんとか無事に青年大会を終える事が出来ました。本当に感謝です。これからも青年大会は続いて行きます。そこに集う青年たちにとって青年大会が良いものであり続けますよう、私も共に祈りたいと思います。

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