ドイツナチスの犯した過ちを私達は良く知っています。しかし戦後、ナチスの血を引く子ども達が、欧州で差別されたことを、わたしは知りませんでした。ノルウェーで、ナチスの兵士の血を引く子ども達が、正しい検査もせずに「知的障害者」というレッテルを貼られたり、「敵の落とし子、ドイツの子」と呼ばれ、ふさわしい仕事に就くこともできなかった時期があったと知り、「偏見」に捉われた人の、人を滅ぼさずにおれない悲しみを思いました。
さて人の問題、いわゆる「おが屑」は見えても、その人の素晴らしさを見ようとしない心の状態を、「目の中の丸太」と主イエスは譬えます。そんな自分の「丸太」で塞がれた目が、神の愛によって開かれ、目の前の人の素晴らしさがよく見えるようになるとき、初めて人は、人を生かす人となれるのでしょう。
「まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目にあるおが屑を取り除くことが出来る」(ルカ6:42)