「今、目の前の人をこそ」(11月20日週報巻頭言 牧師 藤井秀一)

11月15日~17日 日本バプテスト連盟の第62回総会に出席してきました。幡ヶ谷バプテスト教会が新しく連盟に加盟することが承認された喜びの出来事と共に、「神のために」と営まれる善意の組織運営の中に潜むさまざまな「ハラスメント」の問題に、正面から向き合わされ、問われることとなった総会でもありました。

「ハラスメント」とは、支配や差別で人を困らせ不快な思いをさせることです。その意味で、目の前の一人の人を大切にしない言動のすべては「ハラスメント」です。

「神はその独り子をお与えになったほど、世を愛された」(ヨハネ3:16)

この聖書の言葉を信じて集うわたしたちは、この世に生きるすべての人は、神に愛された尊い命であると信じています。だれもが大切にされ、尊重されるべき存在であると、クリスチャンはよく知っています。

ところがなぜか、遠くの人を大切にすることには目が開かれても、今、目の前にいる人や、常に近くにいる人が、大切であることに心の目が閉ざされてしまうのです。そこに「ハラスメント」が引き起こされる温床があるように思われます。

ゆえに毎日、毎週、顔を合わせて共に生きよと、神が出会わせた目の前の一人ひとりこそ、実に大切な一人ひとりであるのだと、心の目を神が開いてくださいますように。

福音を伝えること。それは、今、目の前の人に向かって「あなたは神に愛されている大切な人」と、伝えることにほかならないのですから。

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