2023年4月23日主日礼拝ダイジェスト

週報巻頭言

「牧会への招き」       藤井 秀一

 教会には「牧会」という言葉があります。「牧会」の「牧」は牧畜から来ている言葉です。羊の群れを羊飼いが養うように、「神の言」によって人々の魂が慰められ、養われていく、魂の配慮のことを「牧会」と表現しています。

 

「牧会」は「神の言葉」によって人間の心と魂への配慮をすることです。ですから心理学やカウンセリングとは違います。「牧会」の中心には、常に「神の言葉」があり、神と人との望ましい関係へと導くことが目的です。それに対して、心理学やカウンセリングの中心はあくまで人間であり、神との関係は問題とされません。

 

さて、かつて主イエスを見捨て、3度も「あんな男を知らない」と言い放ってしまった弟子のペトロ。そのことを心の傷としていたであろう彼と他の弟子たちの前に、復活のイエスは何度も現れ、「平和があるように」(ヨハネ20:21)、「信じる者になりなさい」(20:27)、「食べるものはあるか」(21:5)、「さあ来て朝の食事をしなさい」(21:12)と、かつて弟子たちが犯してしまった罪を一言も責めることなく、弟子たちを慰め励ます「牧会」をしてくださいました。

 

今日の礼拝で読まれる箇所は、復活のイエスから「牧会」された弟子のペトロに、イエス様が「わたしを愛するか」と問いかける出来事です。これはかつて3度イエスを否認したペトロに対する「赦し」と、新たな道への「招き」の言葉でありました。

この「神の言葉」による「牧会」経験をしたペトロ。

復活のイエスは、そのペトロを招いてこう言われます。

 

「わたしの羊を飼いなさい」・・・つまり「牧会」しなさいと。

神に罪を赦されたあなたとして、神の赦しと愛の言葉を人々に語りなさい。

 

このペトロへの招きは、同じように神に罪を赦していただいた、私たち一人一人への招きの言葉ではないでしょうか?

 

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