2024年6月9日主日礼拝ダイジェスト

「信じるアブラム」 藤井 秀一
アブラムは、神の言葉に従い信仰の旅に出ましたが、様々な試練の中で「恐れ」を抱くようになったのでしょう。主は彼に「恐れるな。私はあなたの盾である」と語りかけ、苦難の中にあっても神が必ず守ることを約束されました。この神の約束の言葉は、信仰の旅路のなかで、不安や葛藤、悲しみを体験して生きる私たちにも、慰めと励ましを与えてくれる約束です。
さてアブラムは、神から子孫の繁栄を約束されていましたが、子がいないまま年を取り、将来への不安を抱えていました。彼は、家の者が跡を継ぐことを考えましたが、主はそれを否定し、アブラム自身の子孫が星の数ほどになるという、人間の理解を超えた壮大な約束を告げるのです。
85歳になっても子がいないアブラムにとって、この約束は信じがたいものでした。しかし、彼は目に見える状況にとらわれず、神の言葉に信頼を置きました。この信仰によって、彼は神との正しい関係、つまり「義」を得るのです。これは、神の恵みによる救いが、信仰によって与えられることを示しています。
使徒パウロは、アブラムが神の約束を信じて義とされた出来事を、イエス・キリストを信じることによる救いと結びつけています。イエス・キリストは、私たちの罪のために十字架にかかり、復活によって死を打ち破りました。私たちは、キリストを信じる信仰によって、罪の赦しを受け、永遠の命へと導かれるのです。

アブラムの物語は、私たちが人生の試練や苦難に直面するなかで、なお希望をもっていきるすべを教える物語でもあります。アブラムのように、目に見える状況に左右されず、神の約束を信じて生き抜いた、星の数ほどおられるであろう、信仰者の生きざまを通して、確かに神の祝福の約束は、この世界に実現してきたし、これからも実現していくのだと、信じているのです。

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