聖霊に満ちる時

イヴリン・アンダーヒルの「実践する神秘主義」<普通の人たちに贈る小さな本>の序章はこう始まります。

 

「このささやかな本は、戦争直前のまだ平和だった最後の週か月に書かれたものですが、いま戦争がはじまって間もないこの時期に印刷されています。争いと恐れに満ちたこのような時代に心の静寂を追い求めるのは、無知か、無関心か、不誠実な人間しかおらず、万物に対する『観想的』態度を扱う書物そのものが全く持って不適切だと、大勢の方が感じられるでしょう・・・・いま英国人の思いは自らを委ねるという受動的な姿勢よりも、最も具体的な形での行動・・・努力へと向けられています。

・・・しかし現在のように抗しがたい不調和は苦難に直面したときにこそ、神秘主義の価値は弱まるどころか強化されることになるでしょう。こうした神秘主義的経験の多くが、戦争や苦難のただなかから語られることは意味深いことです。すなわち、破壊をもたらす力が強大であればあるほど、それに抵抗する霊的なビジョンがより真摯なものになったということです。こうした事例からわたしたちが学ぶのは、神秘的意識がこうした洞察を持ち続ける人々を、いかなる争いや残忍な行為も犯すことのできない、ある実在性の地平へと高める力をもつということです。

神秘的意識は・・・あの世的な静けさで包み込むのでも、日常生活の痛みや努力から引き離すのでもなく、最も強力な刺激を与えてくれます・・・・おそらくここで注目に値する人物がいるとすれば、フランスと英国の軍事史に深く名を刻んだ二人の女性。ジャンヌ・ダルクとフローレンス・ナイチンゲールが挙げられるでしょう。どちらも神秘的な衝迫に駆られて行動した人物です。・・・彼らの熱烈で実践的な行動力は、ある「観想的」な生の精華だったのです・・・・」

 

目の前の危機や苦難に対処する時代こそ、むしろ「神秘主義的」「観想的」といわれている、神の前にしずまり祈り、聖霊に満たされ、力を得ようと願う姿勢が大切になります。キリストの弟子たちも「聖霊」を受けることで、力強い働きを始めたのです。

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