週報巻頭言「真の自由と平和を築く愛」(藤井 秀一)
本日の礼拝メッセージは、「多様な体、一つの愛」というテーマのもと、1コリント12:27から13:7までの聖書の言葉に聴いていきます。また、今日は「建国記念の日」ですが、日本の一部のキリスト教会では、1960年代から2月11日を「信教の自由を守る日」として覚えています。「建国記念の日」は、国家神道の核となる日本神話を由来とする祝日であり、いわば天皇制を象徴する日です。戦前、天皇制のもとに、信仰の弾圧を受けた日本のキリスト教界は、その歴史を踏まえ、諸教派の枠を超えて2月11日を「信教の自由を守る日」として覚えつづけています。
「建国記念の日」を「信教の自由を守る日」として過ごすにあたって、戦前に一人の人間が神格化された歴史と、それによって多くの若者が犠牲になった事実を思い起こします。対照的に、私たちキリスト教徒の信仰は、神が人間となり自己を犠牲にしたキリストの愛、アガペに根ざしています。この無条件の愛こそが、真の自由をもたらし、異なる背景を持つ人々間の平和を築く力となり得ると信じています。
さて過去数週間にわたり、私たちは1コリントの信徒への手紙を通じて、教会という集まりの本質を再確認してきました。今回の聖書箇所では、神が私たち一人一人に異なる賜物を与え、それらを通じて私たちがキリストの体の一部として結びつけられていることが示されています。パウロは、多様な賜物を持つ私たちが一致し、調和をもって共に生きるために、「愛(アガペー)」の賜物を求めるように教えます。愛がなければ、どんな賜物も意味を成さないとさえ告げながら。
私たち様々な背景、賜物をもつ人々が、不思議にも共にいられる姿を通して、真の自由と平和を築く「愛(アガペー)」を証する教会でありたいと願います。