「温もりにふれて」(2015年5月31日週報巻頭言 牧師 藤井秀一)

IMG_0489 8年ほど前。私の家の教会の礼拝に、高校生の女の子とそのお母さんが来ていた時期があります。その女の子は中学からうつ病で不登校となり、高校には入学しましたけれども、ほとんど家から出られない生活を送っており、お母さんがいつも彼女のそばについていなければならない状態でした。教会のチラシを見たことがきっかけで、小さな家の教会にくるようになった二人。無表情で何も語らぬ娘さんの心に、どうか届くようにと願いつつ、毎週イエスさまのお話をしましたが、私の言葉だけでは、彼女を明るい表情にしてあげることはできずにいました。

やがて妻に3人目の子が与えられ、彼女とお母さんが教会に来られる度に、赤ちゃんを抱っこするようになります。暗い表情で教会にやってきた彼女が、赤ちゃんをしばらく抱いているうちに明るい表情を取り戻し毎週家に帰っていく。それはきっと、赤ちゃんの温もりを通し、イエスさまが彼女に触れてくださったからでしょう。その後彼女は1人暮らしができるようになり、大学を卒業して保育士となりました。

「イエスが手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると」(ルカによる福音書5章13節)

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