「復活と蘇生の違い」(2020年4月12日週報巻頭言 牧師 藤井秀一)

「復活」と「蘇生」の違いは何でしょうか?

両方とも死んだと思われたものが、生き返ることにおいては同じです。

愛する人との関係が途絶えてしまうという悲しみと失望から、再び愛する人との関係が回復する喜びへと引き上げてくれる意味においても、「復活」と「蘇生」は、それほど違いはないように思われます。

では聖書が告げる「復活」と、いわゆる「蘇生」との違いはなんでしょう?

「蘇生」とは言い換えれば、元の状態に戻ること。「生き返る」とあるように、生きていた状態に戻ることです。しかし聖書の告げる「復活」は、元の状態に戻ることではなく、新しい命へと生まれ変わることなのです。ヨハネの福音書は、イエスキリストが十字架につけられて死に、三日目の朝「復活」して、最初にマグダラのマリアに現れたと証言しています。その証言はとても不思議な内容です。復活したイエス・キリストが目の前にいるのに、マグダラのマリアはそれがイエスであると気付きませんでした。マリアにはイエスが見えていないわけではありません。見えているけれどもマリアの知る姿ではなかったのです。イエスさまは昔の状態に「蘇生」したのではなく、新しい命に「復活」したからです。同じように、神が救ってくださるこの世、そして私たちも、やがて神によって「蘇生」するのではなく、新しい命に「復活」することが私たちの希望です。そこに向かう神の歴史に後戻りはありません。常に新たな時代へと進むのです。

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