命を守る人に

「主イエスの言葉の力を信じる」(8月9日週報巻頭言 牧師 藤井秀一)
8月9日は平和主日礼拝です。
先の戦争から75年。幸いなことにわたしたちの国は、他国との間に武力による戦争状態を経験することなく過ごすことができました。
わたしは、その歩みの背後に、常に「・・・国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と言い抜いた、憲法第9条のもつ「言葉の力」があったと、信じています。
日本国憲法が公布されたのは1946年11月3日です。この公布の日に至る議論のなかで、国会においてどのような「言葉」がやり取りされたのでしょうか?
公布の4ヶ月前、衆議院憲法改正案委員会において、この9条について、田中耕太郎文部大臣(当時)の答弁の「言葉」を紹介します。
「つまり戦争放棄をなぜいたしましたかと申しますると、西洋の聖典にもございますように、剣を以って立つ者は剣にて滅ぶという原則を根本的に認めると言うことであると思うのであります。
しかしながら、そういう風に考えますと、或いは不正義の戦争を仕掛けてきた場合において、これに対して抵抗しないで不正義を許すのではないかというような疑問を抱くものがあるかもしれない。
つまり正しい戦争と正しからざる戦争の区別も全然無視して、単に不正なる力に負けてしまうと言うようなことになりはしないか。
そうすると、つまり国際政治におきまして、不正義をこのまま容認するという風な、道義的な感覚を日本人が失うということになってもこまるのではないかというようなことも考えられます。
しかしながら、決してそれはそうではない。不正義は世の中に永く続くものではない。剣を以って立つ者は剣にて滅ぶという千古の真理に付いて、我々は確信を抱くものであります」
75年の間、戦争を起こさせなかった憲法9条の「言葉の力」背後には、主イエスの「言葉」は時代を貫いた真理であると「確信」した人々の存在があったのです。

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