心は目覚めていたい

「新しい時代への備え」(2021年3月7日週報巻頭言)
今日は礼拝の中で、東日本大震災から10年を覚える時を持ちます。具体的には、東北にあるバプテストの教会が、被災地支援のために立ち上げ、今に至るまで活動を続けている委員会が紡ぎ出した祈りの言葉に、共に心を合わせて祈ります。
地震は人間にはどうにもできない「天災」です。地震にともなう津波もまた、人間の力でとどめることは出来ず、人はただ逃げるしかできません。一方、原発事故と事故後の対応については、人間にも出来うる準備と、変わらなければならない考え方があるのだと、この祈りの言葉は真摯に向き合い「主よ、この過ちを繰り返すことのないように、この現実から目をそらさず目を覚ましていられるように導いてください」と祈ります。
さて歴史を振り返るなら、時代が大きな変革を遂げたとき、そのきっかけとして疫病や地震などの天災が起こっていました。ペストは中世を終わらせ、地震と疫病、そして黒船によって、江戸幕府が終わったといわれます。
逆を言えば、人間というものは、自分自身の力では変わることを欲せず、常に自分の「外側からの力」に直面させられ、新しい時代へと移行していきました。今回の新型コロナもまた、そのような「外側からの力」なのかもしれません。
AD30年頃のエルサレム。エルサレム神殿を中心に回っていたユダヤ社会のただ中で、主イエスは「この神殿はやがて崩壊する」と弟子たちに預言します。そして約40年後。預言通りにエルサレム神殿はローマによって崩壊し、神殿礼拝という古い時代は過ぎ去りました。そして、十字架に死に復活したイエスを、主と信じる人々の間に、神の国がやってきていると信じ捧げる、新しい礼拝の生活が始まっていくのです。
わたしたちも、心の目を覚まし、新しい世界へと招かれる主イエスの招きに、いつも心の備えをしていたいと思います。
「・・・目を覚ましていなさい。あなたがたは、その日、その時を知らないのだから。」(マタイ25:13)

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