消え去らない栄光

「文字は殺し、聖霊は生かす」10月4日週報巻頭言  牧師 藤井秀一
中国の電子科技大学出版社が、中等職業訓練学校用の教科書『職業倫理と法』で新約聖書の一節を改ざんして引用していたことが明らかになりました。
引用は新約聖書のヨハネによる福音書8章です。
ユダヤ教ファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女性をイエスの元に連れてきて、モーセの律法には「石で打ち殺せ」と書いてあるが、あなたならどうするかとイエスに尋ねる場面です。
女性をゆるせば、律法に逆らうことになり、殺せと言えば、イエスが教えている赦しと愛に矛盾する。
この問いに対しイエスは「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」と答え、年長者から順にみんなが立ち去り、イエスと女性だけが残されます。
教科書『職業倫理と法』でも、ここまでは正確に引用します。
ところがその後のストーリーが大きく改ざんされるのです。まず聖書においてはその後の個所は、こう記されています。
『イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」 女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」』(ヨハネ8:10~11)
ところが『職業倫理と法』では、「群衆が立ち去ったあと、イエスは女を石打にして殺し、『私も罪人だ。しかし、もし罪のない者だけが法を執行できるのなら、法が死んでしまうだろう』と言った」と書き換えられました。
この改ざんが意味しているのは、「文字」である「法」の絶対化と、主イエス・キリストの神性とゆるしの権威の否定です。その行きつく先は、容赦なき裁きと滅びなのです。
さて使徒パウロはこう宣言します。「神はわたしたちに、新しい契約に仕える資格、文字ではなく霊に仕える資格を与えてくださいました。文字は殺しますが、霊は生かします」
罪を赦すために十字架に死なれた神の子イエスは、罪の赦しをなしとげ復活し、罪ある私たちを殺す「文字」ではなく生かす「聖霊」として、赦しの福音を今も語っているのです。

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