恐れず、畏れる

「信教の自由を守る日」(2021年2月7日週報巻頭言)
今週の2月11日は「建国記念の日」ですが、キリスト教界においては「信教の自由を守る日」として覚えられています。
「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として、2月11日が「建国記念の日」と制定されたのは1966年。その翌年から実施されました。この日が「建国記念の日」とされたのは、日本神話に登場する神武天皇の即位の日「紀元節」が由来です。
この「紀元節」とは、天皇を現人神へと祀り上げて、「天皇制軍国主義」「国家神道体制」を推し進めた時代の、中心的祭日でした。
この日学校では、日の丸掲揚、君が代 斉唱、「御真影(天皇の写真)」の前での「教育勅語」「奉 読」、「神武天皇東征」「皇室のありがたさ」等が説かれました。
この時代の空気の中で、教会の礼拝でさえ、宮城遥拝(皇居の方向に向かって敬礼する行為)が行われました。
終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の意向により「紀元節」は廃止されました。
その後、日本の主権が回復するとともに、「紀元節」の復活運動が起こり、「建国記念日」を制定する法案が何度も出され、9度の廃案を経て「建国されたという事象そのものを記念する日」という意味で「の」を入れた「建国記念の日」が制定。
日にちは、日本国憲法が施行された5月3日などの案もありましたが、後日、学識経験者からなる審議会が「紀元節」と同じ2月11日を政府に答申。結局「紀元節」と同じ日が「建国記念の日」となりました。
さて、かつてこの日が「紀元節」と呼ばれた時代。多くの教会は、主を信じ、畏れるより、人々を恐れてしまいました。
そのような時代がまた来ないようにと、キリスト教界はこの日を「信教の自由を守る日」として覚え、祈っているのです。

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