(E・ブルンナー『我はいける神を信ず』より」)
「もし今日、わたしたちが、このような世界的危機の時代の只中にあって、
まことのクリスマスを祝うとするなら、二つのことを退けねばならぬ。
一.現代の恐るべきことに心奪われ、またこれからも、もっと悪化するかもしれないという不安によって、クリスマスの喜びをこわしてならないということ。 すべての悪は喜びの喪失から生じてくるものである。『わが主イエス・キリスト、そはわれにほほえみかける太陽、わが歌は天より来たる』と、心をこめて歌うことのできる人間を悪魔は攻め落とすことはできない。
二.人為的なクリスマスの喜びに耽溺(たんでき)しないこと。『今がどんなに悪い時代であるか、そんなことは忘れてしまおう。少なくとも今日はクリスマスなのだから』。これは単に幻覚や幻滅を生み出すだけであり、魂を空虚にし、また薄弱にするだけである」。
・・・・クリスマス。神が大切な御子を「この世」に宿らせた奇跡。その瞬間、神がどれほど「この世」を愛しておられるのかが、明らかになりました。
ゆえに、クリスマスを祝うのは「この世」の憂さを忘れるためではなく、今だ罪と悪の現実を抱えた「この世」を、なお神は愛し救われる。
その希望をあらたに喜び祝う。
それがクリスマスなのでしょう。