2018年が始まりました。この年も共に聖書の言葉に聴き続けていきましょう。
1月7日からNHKの大河ドラマは明治維新の立役者・西郷隆盛を取り上げます。原作は林真理子の原作『西郷どん』(せごどん)です。西郷隆盛を勇気と実行力で時代を切り開いた「愛に溢れたリーダー」として描いていくストーリのようです。
さて私が山形県の酒田市に住んでいた時、酒田市内に「南洲神社」という神社がありました。「南洲」とは西郷隆盛の雅号(がごう)別名です。なぜか庄内(酒田、鶴岡地域)には西郷隆盛を祭った神社があったのです。
その理由はこうです。戊辰戦争で、新政府軍に降伏した庄内藩は、厳重な処罰が下ることを覚悟していました。ところが敵である西郷の計らいで、きわめて温情あふれる対応を受けました。それ以来、西郷隆盛は庄内で尊敬されつづけているのです。
旧庄内藩士が西郷から学んだ様々な教えをまとめた「南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)」に、西郷の有名な「敬天愛人」の教えが記されています。
「道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は我も同一に愛し給ふゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也。」
(現代訳)「道というのはこの天地のおのずからなるものであり、人はこれにのっとって行うべきものであるから何よりもまず、天を敬うことを目的とすべきである。天は他人も自分も平等に愛したもうから、自分を愛する心をもって人を愛することが肝要である。」
西郷隆盛は聖書を読んでいました。鹿児島県の「西郷南洲顕彰館」には、西郷が読んでいた文語訳聖書が今も陳列されています。彼もまた「聖書」に聴く人だったのです