例外もありますが、日本の野山では春から夏にかけて、野生の鳥たちは繁殖の季節を迎えるのだそうです。新しい命の誕生に沸き立つこの時期、鳥たちは美しい声でさえずり、ある種類の鳥は美しい羽毛に衣装替えをすると聞きます。
しかし一方自然の中において、生まれたばかりの雛は、強い動物にとって手頃な食物でもあります。ですからこの季節の親鳥は、自分自身の生命を守るだけでなく、自分で自分を守ることのできない雛を、外的から必死に守ります。雛を育て終えた親の羽毛が、痛々しくすり切れていることがあるのも、身を挺して雛鳥を守った親鳥の愛ゆえの傷でしょう。
さて聖書では、神の守りの恵みを「いと高き者の隠れ場」、「全能者の陰」「み翼の陰」と言い表すことがあります。天の親に守られ生かされてきた信仰を「神は羽をもってわたしを覆い、翼の下にかばってくださる」と神の民は表現してきたのです。
どのような時代、状況のなかにあっても、神をこのようなお方とイメージし、その守りと変わらぬ愛を信じ歩む人々は、幸いです。